突然の値上げ提案で住民目線の伝統壊す |
平成24年度吹田市国民健康保険特別会計 予算編成に当たっての財源確保策について(答申) |
平成24年1月26日付け、当協議会に諮問された標題のことについて、慎重に審議した結果、吹田市国民健康保険条例施行規則第8条第1項の規定により、次のとおり答申する。 |
記 |
以下の3点を要望する。
1 低所得者に対する減免制度を拡充されたい。
2 収納率向上に更に努められたい。
3 医療費の適正化に努められたい。
保険料については、次のとおり2つの意見があった。
1 保険料の値上げは認められない。国民健康保険加入者の生活実態は改善されていない。
1 保険料の値上げは認める。税と保険料との関係、及び、他の保険制度との公平性を考えなければならない。 |
以上 |
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2月2日の国保運営協議会(以下「協議会」)は別稿のような答申をまとめました。当局は保険料値上げを了承する答申を求めましたが両論併記となり思惑通りとはなりませんでした。逆に、要望事項の3点に表れているように、当局の準備不足が浮き彫りになる結果となりました。
医療費の赤字原因わからないまま危機感煽る
第1の問題点は赤字の最大の要因である医療費増額の原因を解明しないまま保険料値上げ案を提起してきたことです。「医療費の適正化に努められたい」との要望はこの弱点を指摘しているのではないでしょうか。医療関係の委員から「医療費増大の原因は高齢化にある」ことが紹介されました。これが主原因であるのなら、その解決策を住民だけに求めるのは誤りです。社会的な問題であり、市役所が担わなければならない問題ではないでしょうか。自らの解明できなかった責任を棚上げして、「今対策を打たなければ赤字が増える」と危機感を煽りました。実情を早い時期から知っている当局が、その遅れの責任をとらず、すべて住民に負わせようとするのは、吹田市国保行政の汚点です。3月議会に間に合うようにしっかり準備をして早い段階から住民的な議論を展開させるべきでした。
低所得者の増大を知りながら保険料値上げとは
第2は住民の生活実態が悪化していることです。国保加入者の大半が低所得者であり、無収入者です。国保制度は「保険料」だけで成り立つ制度ではありません。社会保障としての考えが根幹にあります。保険料を値上げすると払えなくなる住民が生まれることがわかっているから「低所得者への減免制度の拡充」する必要があるのです。この間、当局は「吹田市の保険料は高い」との認識を住民と共有していました。その認識を住民は信頼し協力してきました。国保行政の温かさに助けられた住民は数多くいます。その立場に立ってきた吹田市がなぜ住民だけに赤字の責任を負わせるのか、誰もが理解できません。
収納率対策はバランス感覚をもって対応を
第3の問題点は収納率です。吹田市の目標とする収納率は92%です。2010年度の実績87・55%と開きがあります。保険料を引き上げて減免制度を拡充して、電話督促や訪問で収納率を引き上げることができるでしょうか。それができるのならよいのですが、払えない原因は「払う力がない」ところにあるわけですから対策になるでしょうか。当局は「収納率を引き上げます」と断言しました。「努力します」ではなく「引き上げます」と言い切ったことに傍聴していた多くの住民が驚きを感じています。引き上げることがどれだけ大変なことであるかを知っている人が、大変な答弁をしたからです。この言葉をそのまま実行に移すことで住民と市役所の距離が広がらないかと心配しています。
最大の問題は準備不足!その責任を住民に押し付けるとは!
当局は昨年8月段階では「議会や市民の皆さんに説明して決めていきたい」と言っていました。そのため、私たちは遅くない時期に赤字解消策が提案されると思っていました。ところが住民に知らせる時間的な余裕も保障しないまま、値上げ案を出してきました。このような住民を無視した対応は、今までの国保担当部局がとったことがありません。今まで大切にしてきた民主主義を思い出していただきたいと思います。これで「市民に説明」したとは言えません。「協議会」はとりあえずの答申をまとめられましたが信任を得たわけではありません。自らの準備不足を棚に上げることなく、住民目線の解消策を策定するため本格的な議論を展開してほしいと思います。この日の傍聴者は42名。駆けつけた住民全員が傍聴できました。 |
吹田民商「いんふぉめーしょん」No.844 12.2.13 |