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吹田市が国保運営協議会の答申無視!
 吹田社保協国保部会は2月16日午前、吹田市と国民健康保険問題で懇談を行いました。2月2日の国保運営協議会の答申を受け、吹田市が3月議会に向けて、保険料問題をどのような形で提案するのか、また、3点の要望事項にどのように対応するのか話し合いました。

赤字の責任を加入者に押し付ける姿勢変わらず
 今回の答申は3つの要望事項を列挙した上で、保険料問題について、2つの意見を併記しました。一つは「保険料の値上げは認められない。国民健康保険加入者の生活実態は改善されていない。」、もう一つは「保険料の値上げは認める。税と社会保障との関係、及び、他の保険制度との公平性を考えなければならない。」と言うものです。両論併記ですから、諮問した吹田市はこの結果を尊重して、新たな財源確保策を提案しなければなりません。ところが、「保険料の値上げは認める」との意見のみを採用して、当初案を変更することなく3月議会に提案することがわかりました。これは、国民健康保険運営協議会の答申を無視するものであり、「手続き」を重んじる民主主義社会のルールとも相いれないものです。そもそも、今回の財源確保策の提案は当局の準備不足で、異例の時期に提起されています。(2008年度の財源確保策議論の際は4か月かけて審議されました。)それでも、運営協議会委員の皆さんは結論を得るため尽力されました。その努力を無視するような態度は誠実さを逸するものであり、是正されなければなりません。

医療費増大の原因究明もなく赤字拡大を煽る姿勢は間違い
 赤字が累積した原因は幾つかあります。その一つに医療費の増大があります。その原因を究明することが急務ですが、まだ、できていません。それでも、放置すると赤字額が増えると、不安を煽って、その責任の大半を国保加入者に押し付けています。ひとつだけ明確になっていることがあります。それは、後期高齢者制度発足の際、障がい者の方々を国保制度に残したことで、医療費が12億円ほど増大していることです。この決断は行政として、住民を守る立場に立った素晴らしいものでした。ところが、吹田市は、この医療費の増大に対する責任まで住民に押し付けています。

保険料値上げすると収納率低下を招かないのか?
 二つ目の原因に保険料を払えない人が沢山いることがあります。今までの予算は95%の収納率で立てられていますが、実際の納入率は2010年度で87・55%です。そのため、来年度は92%を目標にして取り組むことにしています。87・55%の収納率を毎年1%ずつ引き上げて各年7000万円の収入を得る計画を立てています。当局は、過去2年間で1%強ずつ収納率を引き上げてきた実績があるので、引き上げは可能だと強弁しています。しかし、国保に加入している世帯の大半は所得300万円以下で、収入が低くなるほど、収納率が低下しています。不安定雇用労働者が大量に生み出されているのは社会の責任であって、その方自身の自己責任ではありません。社会的な問題なのですから、国や市役所が救済の姿勢を取らない限り解決できません。今回の対策は、払えない住民の保険料を払える住民に責任を取らせるもので、住民間を分断し対立させる対策であり、行政がとってはならない態度です。今でも払えない保険料を3年間連続で値上げすることで、新たに払えない住民が多数発生する契機になるのではないかと心配されます。

「答申守れ」と3月市議会に向け、新署名スタート
 井上市政の国保運営協議会答申を無視した姿勢は、民主主義の形骸化につながるものです。そのため、吹田社保協国保部会は、請願署名に取り組むことにしました。時間的な余裕がありません。急いで、多くの住民の皆さんに「国民健康保険料が値上げされる。反対しましょう」と声をかけて、署名を集めましょう。
(吹田社会保障推進協議会 国保部会 発行 国保部会ニュース第4号より)
吹田民商「いんふぉめーしょん」No.846 12.2.27

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