もどる
「値上げは許さない」と住民運動が行政を追いつめる!
吹田民商「いんふぉめーしょん」No.701より
 2月2日午後2時より吹田市役所の第4委員会室にて、平成20年度第4回国民健康保険運営協議会が行われました。この協議会は市議会議員の公益代表4名、医師会・歯科医師会・薬剤師会などの医療代表4名、公募を含む国保加入者の被保険者代表4名、今回から1名追加された社会保険などの運営に関わる被用者保険等保険者代表2名で構成されています。今回の協議会には赤字解消に伴う保険料の値上げが諮問されることがわかっていたため、傍聴には20名を超える市民が集まりました。
新たな赤字解消案  保険料値上げは30%→17・5%に!
 1月19日に吹田社保協で行った要請行動の中で、当局は国保特別会計の19億円の赤字解消案として、一般会計繰入金の増額70%と保険料の値上げ30%で対応すると答えていましたが、この運営協議会では保険料の引き上げは17・5%(単年度で6650万円)と提案されました。また、この保険料引き上げ分は平成20年3月議会ですでに議決済みの保険料(医療分)の賦課限度額44万円から47万円の引き上げ分を充てることで、中低所得世帯への負担増は極力抑える形に変わっていました。
 9402筆の署名と19日の行動などの運動が、行政を追いつめ30%から17・5%へと方針転換を余儀なくさせました。
国保加入者の代表4名全員保険料値上げには明確に反対
 国保加入者から選ばれた被保険者代表4名全員からも、各々の視点で反対意見が出されました。
「一般会計繰入金の減額が赤字の原因ではないか。国保加入者の半分以上が低所得者。家賃を払った残りで、光熱費や食費を出すのに月千円でもシクハクしている。」
 「市民は5円でも10円でも安いものをとチラシを握り締めスーパーを回っている。子どもを学校に行かせられない世帯もある。他(保険料値上げ以外の方法はないのか。」
 「社会保障の一部だから市から補助するべき。保険料が値上がりすれば消費意欲が削がれる。物を買う人が減ってしまう。商売人として値上げはやめるべきだと思う。」
 「このとき(経済情勢)に値上げは妥当なのかと思う。もっと知恵はないのか」などの反対意見が出ました。
悪質な滞納と見なされれば、銀行預金が差押え?!
 保険料分が30%から17・5%となったものの、一般会計繰入金の増額は70%(単年度2億6600万円)に変わりはなく、新たに保険料の収納率向上・徴収強化で赤字解消の12・5%(単年度4750万円)に充てることが追加されました。この収納率向上対策では、国保高齢者医療支援室全体での電話催告体制に加えて、銀行預金を含む財産調査を行ない、財産の差押えを行うと明言されました。もしこれが滞納者への接触の努力が足りないなか、強行に行われれば市民生活に重大な影響を与えます。
運営協議会の答申は両論併記に
 主な質疑応答は午後4時まで続きました。そのあと行われた審議では保険料値上げは賛否両論となり、協議会の会長が読み上げた国保運協の市長への答申では、赤字解消案について赤字解消案については概ね了承するとしながらも、百年に一度の不況の経済情勢の中、保険料の値上げは妥当ではないとの被保険者代表からの根強い反対意見があったと両論併記されることになりました。
あと6650万円も一般会計から繰入を! 3月議会に向け署名を集めよう
 運営協議会では、当局からも値下げの要望も来ていると紹介され、委員からの質問に対して9402名分が届いていると報告されました。一般会計繰入金の負担は70%である事には変わりはありません。ここまで努力するのであれば、保険料値上げ分の6650万円も一般会計から出すべきです。赤字解消案での、保険料の値上げについても両論併記の答申になっています。この答申が出される今度の3月議会で、国保料がどうなるか決まる正念場になります。全力で署名を集めましょう。
もどる