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納税者の無知に付け込む威圧的な税務調査手法
 税務調査の際に、吹田民商が最も重視している事は、税務署員に民主主義を守って税務調査をさせることです。だから、どんな調査の際にも「日本国憲法と税務運営方針を守って税務調査をして欲しい」と冒頭から要望します。これに対して担当署員は「当然です」とか「わかりました」と回答します。日本は法治国家であり、全ての公務員は日本国憲法を遵守することを宣誓して職務に就いています。しかし、残念なことですが、多くの税務署員は日本国憲法を知りません。知っていても、自らに都合よく解釈して、納税者の人権を無視した税務調査を行っているのが実態です。今、吹田民商が相談を受けて対応している税務調査は、法治国家でありながら法律を無視して税務調査を行う税務署の姿勢を明らかにしており許されないものです。会員、読者の皆さんのご支援を宜しくお願い致します。

初めから犯罪者扱いの税務調査
 調査発生は4月下旬。2日間にわたって昼から夕方まで対応。身分証明書を示し、税務調査である事は通知しましたが、いきなり、「机の引出を上から順にあけてください」「中の物を机の上に出してください」と指示を連発。机の中にあったものや領収書、預金通帳はそのまま持ち帰りました。2日目はパソコンに詳しい職員を連れてきて、そこにあるデーターを持ち帰りました。
 日本国憲法第31条は「法定手続きの保障」を記しています。調査の目的も告げることなく、何故、机の中を見る必要があるのかを説明することもなく調査を行う行為は、納税者を犯罪人扱いして上から見下ろす行為です。所得税法第234条第2項は「質問又は検査の権限は、犯罪捜査にために認められたものと解してはならない」と記し、税務署員の強権的な調査手法に歯止めをかけていますが、この調査はこの条項を逸脱しています。税務署が行う税務調査は任意調査です。少なくとも、調査の目的と理由、調査の冒頭に机の中を見なければならない合理的な根拠、そして、納税者には断る自由があることを知らせた上で行われなければなりません。

3年調査を隠し、初めから5年調査を強行
 通常の調査は3年間です。悪質となった場合に5年前、7年前まで遡ることになっています。「法定手続きの保障」の観点からすると5年前、7年前に遡る際も、説明責任が発生します。ところが、今回の調査は、通知することもなく5年調査が当たり前のように展開されていたことがわかりました。6月21日の税務調査の際、納税者が「嘘をつきましたね」と担当署員に質すと「はい、済みませんでした」と謝ったそうです。税務署員は納税者が従順だと見て、3年調査を5年調査が当たり前と偽り、5年にすることの意味も説明することもせず、犯罪捜査的な手法で納税者に対応しています。このような態度こそ正されなければなりません。

机をたたいて自白を迫る税務署員
 担当署員は5年間で数千万円の増差があると説明しています。しかし、資産は増えていません。そうであれば、経費が漏れていると判断するのが妥当です。事実、何度もそのことを納税者に聞いています。ところが、調査は「損益」からのみで、「貸借」から接近して真実に迫ろうとする取り組みは全く行われていません。それどころか、5月に税務署に行った際(昼1時ごろから夜7時頃までかかったそうです)は、納税者が「知らない」と答えているのに、机をたたいて「(税理士に)あんたが指示してやらせたのか」と執拗に自白を迫ったそうです。納税者本人は全く覚えがないことなので「知らない」と言い張って、その日は平行線で終わりました。ところが、税務署は税理士に7年前の資料を出すことを求め、本人が知らない間に7年前までの調査を行っています。しかし、6年前も7年前も問題ありませんでした。ところが、6月21日(朝9時から夕方5時まで税務署で対応)には重加算税を通告してきました。

 この方は6月21日に民商入会、22日に吹田税務署へ口頭で申し入れ、27日に請願書提出、28日税務調査に13名が立会、7月5日北支部役員会が励ます会開催と、徐々に納税者の権利を学びつつあります。6月28日の調査の際には、6月21日、6月22日段階で「決まったこと」「変わらない」としていた税務署の態度が変化しました。提出した請願書について「中身は読ませてもらっている。内容については理解しているつもり。そういう形で進めさせてもらう。」と回答しています。争点は重加算税問題と「貸借」も含めた調査の2点です。経過を詳しく聞き取るなかで、税務署の調査手法に問題があることが鮮明になってきました。民主主義の世の中で許されない行為であることを明確にして取り組みます。会員の皆さん、読者の皆さんのご支援・ご協力をお願いいたします。ご一緒に税務行政を正す運動を展開いたしましょう。
吹田民商「いんふぉめーしょん」No.817 11.7.18

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