4月24日長野県飯里市へ視察に行ってきました。飯田市は国から「環境モデル都市」の指定を受けて先進的な取り組みをしている都市のひとつです。温室効果ガス削減目標を2030年までに2005年対比で40%~50%削減、2050年度までには70%削減を掲げて、行政と住民が力を合わせて取り排んでいます。1997年からの10年間は「環境文化都市」を構想したまちづくり、2007年からはその延長線上に「経済自立」も位置付けて、自然環境重視と循環型の地域経済が丁俸となるまちづくりを目指しています。
実践の第1の柱は太陽光パネルの普及です。学校や公民館への設置だけではなく、補助金制度を創設して地域住民にも普及しています。民間の力を活用して「小さな電力会社」を独白に設立して電力の供給や売電をおこなっています。「おひさまファンド」や「おひさまゼロ円システム」のアイデアが成功して普及の促進や環境に対する住民的な関心が高まっています。
実践の第2の柱はペレットストーブやペレットボイラーの普及です。飯田市の84%は森林です。この自然環境を生かそうとしています。2010年4月には化石燃料使用ゼロのモデルハウス(エコハウス)を設置して普及に努力しています。雇用者が少なく木の切り出しが課題になっていると説明されていました。日本の林業は数十年にわたり安価な外国産木材の輸入で大きな打撃を受け続けています。これを改善するまでには労力も時間も要しますが、重要な取り組みだと思います。飯田市は地域の資源を生かして「エネルギーの域産域消」を目指しています。これからは小水力発電も行うそうです。これ等の取り組みが雇用拡大に結びっくことが期待されています。
実践の第3の住は環境と経済の好循環を目指していることです。環境ISOの推進に力を尽くしています。1996年に3社で発足した「研究会」は現在では31社に広がっています。セミナーを開催して学ぶだけではなく、相互の会社を訪問交流して学び高め合う努力をされています。地域社会で自らの会社がどのような役割を果たすのかを経営者と従業員が真剣に考え実践されています。感心させられたのが「南信州いいむす21」の取り組みです。環境ISO取得には多額の費用がかかるため、外部審査機関に頼ることなく地域独自の認証システムを確立して、安い費用で登録できるようにしているそうです。地域独自の審査であっても、審査委員の意識が高く環境ISO認証とほとんど変わらない水準であるといわれていました。
4時間程度の視察でした。市役所が一体となって住民に働きかけている様子がよくわかりました。市役所が掲げる方針が社会の発展方向に即しており住民に受け入れられていると感じました。
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