吹田市2009年度予算編成と施策改善に関する要望書について(回答)
 2007年10月7日に提出した標記の件について、吹田市から回答が届きましたので紹介します。
Ⅰ 中小企業・中小業者施策の改善・充実に関わって
Ⅱ 社会保障制度の拡充に関わって
Ⅲ サラ金ヤミ金等への対応について
Ⅳ 税問題について
 Ⅰ 中小企業・中小業者施策の改善・充実に関わって
          
(1)「部」に昇格した目的に相応しい商工予算の大幅な増額を行っていただくこと。
<回答>
 景気後退や企業収益の悪化などで税収の減が見込まれ、商工予算の大幅な増額は困難ですが事業の見直しを目引より効果的に事業を進められるよう検討していきたいと考えます。


(2)「部」としての業務が軌道にのり安定するまで幹部職員の異動は行わないこと。
(3)産業労働にぎわい部における人員削減計画は中止していただくこと。
<回答>
 職員の削減により行政水準が低下する恐れが考えられますが、これまでのサービスの水準を堅持できるよう努めてまいりたいと考えております。


(4)商工関係職員の大幅な増員を行い、市内6ブロックに対応した職員配置を実現していただくこと。
<回答>
 現在の本市のおかれた状況では、職員の大幅な増員は見込めませんが、市内地域商店街の活性化のために、今後とも商店街等が実施する事業等に対して支援を行ってまいりたいと考えております。


(5)現在行っている「原油・原材料高騰繁急アンケート」の結果に沿って、緊急の対策を講じていただくこと。   
<回答>
 アンケートの結果を集約し原油原材料の高騰が中小企業者へどのような影響を与えているのかを把握し、今後の施策の参考としていきたいと考えます。


(6)計画的に事業所実態調査を行っていただくこと。その際、職員が直接訪問して調査する事業所数を設定し数年がかりの計画的な取り組みにしていただくこと。特に商店街や市場、工業関係者の実態や要望の把捉に努めていただくこと。               
<回答>
 商工振興施策の一層の充実、改善に向け努力していく中で商店街や市場、工業関係者の実態や要望の把握に努めていきたいと考えております。


(7)中小企業者の育成環境について
①集団による自主的な経営交流や研修に関する補助、場所の提供を行っていただくこと。
<回答>              
 市内の商工業団体が商工業の活性化のために実施した研修等に対し引き続き支援を行ってまいります。


②市内中小企業者が自主的に交流できる「場」や機会を提供していただくこと。
<回答>
 シンポジウム、セミナー、体験学習講座など各種事業を事業者や市民を対象に実施する「人づくり、組織づくり事業」を来年度に向けて立ち上げていきたいと考えており、予算的な限度はあるものの、市内中小企業者が自主的に交流できる「場」もその中で検討してまいりたいと考えております。


③「ジョブカフエ吹田」の中小業者版を検討していただくこと。
<回答>
「JOBカフエ事業」は、平成16年に経済産業省及び厚生労働省のタイアップにより若年者の就労支援対策としてスタートした事業です。本年、7月6日にメロード吹田一番館に本市が開設したJOBカフエすいたは、職業あっ旋部門も併設いたしており、ここにおきましては、求人事業所の取り扱い対象を限定するものではなく、求職者のニーズに対応するため広く様々な事業所からの求人票を募集しているところです。


④市内中小企業者を対象にした「データベース」作成に取り組んでいただくこと。
<回答>
 市内中小企業者の「データベース」化については、今後検討してまいりたいと考えます。


(8)中小業者は「勤労者」です。勤労者会館の利用については、労働組合と回様の資格を中小業者団体にも与えていただくこと。   
<回答>
 勤労者会館は、設置条例にも記載されているように、勤労者の福祉の増進を目的に使用の対象者として勤労者に限定しているところです。ここで言う勤労者とは、労働の対価として、給料その他これに準ずる収入を受けて生活をするものをいい、事業主である経営者とは、一線をかくしたものであると認識しています。ただし、その使用に支障がない場合は、その他の方にも利用に供しているところです。そうした中で、労働組合(団体)は、より効率的に勤労者の福祉の増進に寄与することに深く関与する団体であるという点から、唯一減額の対象にしているところです。


(9)「観光」に関して
①「市民の、市民による、市民のための観光」とは何か、明らかにしていただくこと。
②「観光」事業がハコモノ行政になることがないようにしていただくこと。
<回答>
 地方分権が進む中で、吹田市独自のまちづくりを進めるためには、それぞれの地域を活かした施策に取り組む必要があると考えております。
 本市におきましては、「市民の、市民による、市民のための観光」を重要な施策と位置付けており、市内の魅力ある地域資源を活かしながら、広く市民に知らしめて、その価値を十分に理解し、市外へも紹介してもらえるような市民参画の観光を推進し、また、都市型観光の視点に立ち、生産現場や産業製品等を観光資源として捉え、学び、体験することで、もの作りのこころに触れる産業観光を推進し、活力あふれにぎわいのあるまちづくりの実現を目指してまいります。


(10)制度融資に関して
③新規開業資金利用者、「大阪府経営安定資金」や「原油原材料高騰対策特別資金」の利用者に対して、利子補給や保証料の補助を行っていただくこと。
<回答>
 新規開業資金利用者、大阪府経営安定資金や原油原材料高騰対策特別資金の利用者に対して、利子補給や保証料の補給をすることは本市の財政状況なとがら困難と考えております。市制度融資の中で現行の各種補助等の支援策を堅持していきたいと考えております。


④金融機関によっては、融資担当部署が吹田市内に存在していなかったり、担当職員が配置されていなかったりしています。これでは、金融機関が地域経済の発展に貢献しているとはいえません。「責任共有制度」の見直しを国に求めていただくこと。
<回答>
 責任共有制度により、利用者が不利にならぬよう機会を捉え要望していきたいと考えております。


(11)官公需の発注に関して
①官公需の地元発注割合を件数だけではなく金額の面でも確実に高め、建設工事、物品、役務の全部門に渡って、前年実績を上回るように計画を立てていただくこと。       
<回答>
 従来より地元業者育成の観点に立ち、市内中小業者に対し受注機会の確保を図ってきたところです。市内中小業者への発注割合につきましては、大規模工事等の発注により大きく影響を受けるところですが、前年度を上回るように努めてまいります。


②可能な限り分離・分割発注を行っていただくこと。
<回答>
 地元業者育成の基本方針のもと、従来より市内中小業者への優先発注を行ってきたところです。
 今後、地元業者育成の観点に立ち可能な限り分離・分割発注に努め、市内中小業者の受注機会の増大に努めてまいります。


③「簡易な修繕」の発注基準額を130万以下とし小規換事業所のみが受注の対象に成るようにしていただくこと。
④「簡易な修繕」の実績把握ができる体制を整備していただくこと。
<回答>
 修繕につきましては、施設等の管理をしている所管課において発注しているところです。本市といたしましては、各室課長宛に「市内中小企業者向け官公需確保について」と題し、少額の工事等、物品の発注に当たっては、市内中小企業者の受注機会の増大を図るよう依頼をし、周知しているところでございます。


⑤公契約条例を制定していただくこと。
<回答>
 本市が発注する工事等の請負契約におきましては、契約書に関係法令を遵守する旨明記しています。本市から直接工事等を受注した請負業者に対して、関係法令の遵守について啓発に努めているところです。
 なお、公契約条例の制定につきましては、国、大阪府、近隣市の動向を見極める中で対応してまいりたいと考えています。


⑥住宅リフォーム制度を創設していただくこと。
<回答>
 住宅リフォームは所有者個人の自助努力により実施されるべきものと考えており、厳しい財政状況の中、新たな助成制度の創設は困難です。
 自治体の実績調査につきましては、今後必要に応じて実施してまいりたいと考えております。


 Ⅱ 社会保障制度の拡充に関わって

(1)国民健康保険、健康診断に関して
⑤国民健康保険料を1世帯1万円以上値下げしていただくこと。
<回答>
 国民健康保険財政については、国民健康保険制度の持つ構造的な問題に加え、近年の医療費の動向などにより、本市におきましては累積赤字が大きく拡大している状況です。
 1世帯1万円以上の値下げについては、ご要望に沿うことができません。よろしくご理解いただきますようお願いします。


⑥全ての国保加入者に正規保険証を発行していただくこと。
<回答>
 国民健康保険資格証明書につきましては、国民健康保険法等の規定に基づき、国民健康保険料滞納者の納付相談機会の拡大などを目的に発行が義務付けられております。本市におきましては、必要な医療が抑制されることのないよう、個々の滞納世帯の状況を勘案し検討をおこない、16歳未満の児童や65歳以上の高齢者のおられる世帯に対しては発行しておりません。


⑦国に対して補助金の増額を求めていただくこと。
<回答>
 国民健康保険財政に対する国の補助金の増額につきましては、引き続き関係機関を通じて要望してまいります。


⑧65歳以上の年金天引き者に対して、保険料の支払方法が柔軟に対応できることを周知徹底していただくこと。
<回答>
 国民健康保険料の支払い方法につきましては、口座振替などによって特別徴収停止が行うことができることなどを市報等で周知するとともに、対象者に対し個別に口座振替勧奨なども行ってまいります。


(2)後期高齢者医療制度について
①吹田市独自の支援制度を創設していただくこと。
<回答>
「高齢者の医療の確保に関する法律」第111条により長寿(後期高齢者)医療保険料の減免は後期高齢者医療広域連合の権限とされております。市独自の支援制度については、国等の動向を把握しながら、引き続き検討してまいりたいと存じます。


②保険料の支払いが困難な市民に対して、市役所に「相談窓口」があることを周知徹底していただくこと。
<回答>
 長寿(後期高齢者)医療保険料の納付相談につきましては、市役所国保高齢者医療室の窓口で行っており、今後も周知徹底につきまして市報や同封文書で行ってまいります。


③国に対して後期高齢者医療制度の廃止を要望していただくこと。
<回答>
長寿(後期高齢者)医療制度の制度見直しについては、現往国政の場でさまざまな議論が行われているところでございます。本市といたしましても、関係機関を通じまして今後必要な対応を行ってまいりたいと存じます。


(3)介護保険料に関して            
①保険料の減免実績を制度創設時から公表していただくこと。(照会、問い合わせに回答するのであれば支障のないはずです)
<回答>
 介護保険料の減免実績につきましては、照会やお問い合わせをいただいた場合には減免件数・金額等を回答いたしておりますので、よろしくお願いいたします。


②保険料未納者の推移とその処置について制度創設時から公表していただくこと。
<回答>
 保険料未納者の推移とその処置につきましては、照会やお問い合わせをいただいた場合には未納件数・金額等を回答いたしておりますので、よろしくお願いいたします。


③原油・資材高騰問題など経営環境の激変に苦しむ中小業者や市民の減免申請においては、相談者の実情を正確に把握するとともに、制度の適用については柔軟に対応していただくこと。
<回答>
 保険料の減免につきましては、介護保険制度施行時より、第1号被保険者や世帯の生計の中心者が、災害・失業等により収入が減少し、保険料の納付が困難になった場合について、保険料の徴収猶予や減免を行ってきました。
 平成15年度からは、独自減免制度を導入し、世帯非課税の被保険者(生活保護受給者を除く)で、収入額など一定の要件に該当する人について保険料の軽減を行ってきました。
 今後も相談者の実情をお聞きしたうえ吹田市介護保険条例及び介護保険条例施行規則の規定に基づいて、減免申請の取扱いをしてまいりたいと考えております。


 Ⅲ サラ金・ヤミ金等への対応について
                
(1)多重債務問題の解決を弁護士や外部団体任せにせず、行政として責任をもって対応するため、職員が介在する相談体制に改めていただくこと。
<回答>
 本市における「多重債務問題」についての取り組みにつきましては、市民生活相談課において消費者金融相談電話を設置し相談機関の案内等をしておりますとともに、弁護士による無料法律相談の実施により、問題解決に向けた誘導ができるよう努めているところです。
 また、消費生活センターにおいても多重債務に関する相談がありましたら相談機関、法律相談の案内等をおこなっております。
 金融庁、大阪府からの指針にありますように「丁寧な聴取や具体的な解決方法の検討・助言ができるよう、相談体制・内容の充実」が自治体相談窓口に求められておりますことは本市といたしましても十分認識しております。
 現状において、問題解決に向けて多重債務専門相談員を配置することは難しいことでございますが、関連情報の集積、弁護士会・司法書士会等、関係機開との連携の強化、消費生活センター機能の充実を図ることにより、相談窓口をさらに強化してまいりたいと考えております。


(2)多重債務問題に対する政府の認識はこの数年で急速に発展しています。そのため、地方自治体においても、それに相応しい相談体制を確立しようとしています。先進自治体の事例を調査していただくとともに、吹田市においても、情勢に相応しい対応をしていただくこと。
<回答>            
 問題の解決にあたっての急務は、先ず多重債務者が相談機関に足を運ぶことが重要と認識しております。
 税の滞納、生活保護、児童虐特等に関連して発生している市民の多重債務につきましは、関係部局が可能な限り情報の共有を図り、相談に導けるような体制を、先進市の取り組み、近隣市の状況等も、参考に進めてまいりたいと考えております。
                    

(3)吹田市内においてもヤミ金被害が発生しています。その問題解決のために警察等とも連携を図る体制を確立していただくこと。
<回答>
 ヤミ金融につきましては、昨今深刻な社会問題を引き起こしておりますが、ヤミ金等悪質業者の情報収集、提供など大阪府貸金業対策課や金融庁近畿財務局等との一層の連携に努めてまいりたいと存じます。


(4)サラ金やヤミ金の看板を吹田市内から排除する措置をとっていただくこと。
<回答>
 本市では、違法屋外広告物を一掃することを目的に「吹田市違法屋外広告物撤去促進連絡会」を設置し、屋外広告物法、大阪府屋外広告物条例、道路法、道路交通法に基づいて、街の環境美化に努めているところでございます。同連終会は、吹田市・大阪府茨木土木事務所・吹田警察署・NTT西日本・関西電力で構成しており、月1回、地域を決めて相互に協力しながら違法に掲出されている簡易広告物等の撤去及び啓発に努めております。
 また、本市は違法簡易広告物を撤去する権限を大阪府から委譲されておりますので、独自でも違法に掲出された簡易広告物があれば啓発や撤去を行っております。
 サラ金やヤミ金の看板につきましても、違法な掲出の状況がありましたら、撤去の対象となるものでございます。
 今後も関係機関と連携し、違法屋外広告物の啓発及び撤去に努めてまいりますのでご理解とご協力をお願いいたします。


 IV  税問題について

(1)吹田市市税条例第22条は「市民税の全額を負担することが困難であると認めるもの」に減免を認めるとしています。しかし当局は「徴収猶予、納期限の延長等によっても納税が困難であるような場合しか」減免ができない旨回答しています。これは条例の趣旨を逸脱するものです。早期に訂正していただくこと。訂正しないのであれば、その理由を該当する法規に沿って説明していただくこと。
<回答>
 吹田市市税条例第22条におきまして、市民税の全額を負担することが困難であると認めるものに対し減免を適用することになっておりますが、その指標として、徴収猶予、納期限の延長等によっでも納税が困難と認められるような場合を想定しております。


(2)吹田市市税条例第22条には、地方税第323条の示す「公私の扶助」を、「公の扶助」を生活保護や障害者など限られた範囲を限定レ「私の扶助」については一切適用していません。早期に改善していただくこと。
<回答>
 「公私の扶助」を受けていることにより直ちに減免するのではなく、個々の納税者の担税力、その他個々の事情に着目して、納付が困難な状況にある場合に限り、減免の検討をさせていただいております。


(3)昨年度行った住民税滞納者への相談業務のあり方に対して、担当課は「減免制度、納税の猶予制度について説明し、可能な範囲で納税者の実態把握調査に沿った内容となるよう分割納付等に配慮しております。また、滞納原因により今後とも徴収が困難と判断された場合は、積極的に滞納処分の停止をしております」(19吹市相第1132号)と回答されています。今後もこの回答に沿った対応をしていただくこと。
<回答>
 納税に困った時などにつきましては納税通知書や、くらしの友、吹田市ホームベージで周知を図っているところでございます。地方税法上、一時に納めることができないと認められる場合にには、原則として1年、事情によっては2年以内の期限に限り、納税を猶予できると規定されております。
 吹田市におきましては、納税相談にあたり、可能な範囲で相談者の生活実態に沿った内容となるよう配慮したいと考えております。
 また、滞納処分の停止につきましては、納税相談や財産調査をする中で滞納処分の停止の要件に該当すると判断された場合に適用しております。
 なお、適切な判断を下せるよう担当者には定期的に研修を行っているところですが、今後とも職員の研修を徹底してまいりたいと考えております。


(4)徴収業務の民間委託は行わないこと。
<回答>
 徴収業務の民間委託につきましては、その予定はありません。


(5)家族従業員の労働の個人の働き分(自家労賃)を認めない所得税法第56条を廃止するように国に働きかけていただくこと。
<回答>
 原油価格や原材料価格の高騰をはじめ、米国の景気減速に伴うドル安・円高の影響など地域経済を支える中小事業者や自営業者を取り巻く状況は大変厳しいものと認識しております。
 自家労賃を認めていない、所得税法第56条の廃止要望につきましては、国の税制に関するものであり、地方税担当部局とは、一線を画してはおりますが、北摂各市の税務担当者との会合の中でどのようなことができるか、検討してまいりたいと考えております。



トップページに戻る

  〒564-0000 吹田市川園町20-1
TEL 06-6383-2211  FAX 06-6382-8190