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多重債務者の苦難に寄り添い「さざなみ」10周年
 「さざなみ」(正式名称は、クレジット・サラ金・商工ローンの被害者をなくす吹田市民の会「さざな み」)は11月17日に創立10周年を迎えました。10年前のこの日は大変寒い日でしたが、被害者の方や結成に賛同する皆さんの参加で会場は満席になりました。外の寒さと結成総会に寄せる参加者の熱気で窓ガラスが曇ったほどです。「さざなみ」は、結成後すぐに全国クレ・サラ被害者協議会に加盟し、全国的な運動や学習会に合流しました。
 それから10年。毎週の相談会を実施するとともに、吹田市、吹田警察署、大阪府警、近畿財務局、大阪府商工労働部、保証協会、日本政策金融公庫、吹田・大阪・枚方の各簡易裁判所などに申し入れや懇談を行い多重債務者救済の支援をお願いしてきました。全国や西日本、近畿の学習交流会にも参加しました。今年6月18日には、改正資金業規正法が制定されましたが、全国のクレ・サラ運動30年にして画期的な法改正を実現することができたこと、その一翼に小さいながらも「さざなみ」が運動に参加できたことは大きな喜びです。
 「さざなみ」は正式結成前の2000年9月から独自の相談会を始めました。当時は金曜日でしたが、今は毎週水曜日の夜8時から開催しています。月1回役員会を開催し、5年ほど前からは毎月1回JR吹田駅や岸辺駅の駅頭で宣伝行動も続けてきました。結成当時から数年間は「取立て」も厳しく、その対策のために、被害者どうしが場所を変えて深夜まで励ましあうことも度々ありました。また、まとまった時間を確保して勉強したり相談にのったりするため日曜日にもよく集まっていました。

「さざなみ」相談会は生き方「見つめ直す」契機
自主計算、経営対策にも目を向けた運動に発展

 「さざなみ」の相談活動は、弁護士や司法書士などの専門家に頼る法律相談ではなく、多重債務を経験して苦しんでいた(いる)被害者が、同じように多重債務で苦しんでいる被害者の相談を受けるところに最大の特徴があります。だから、相談員と相談者の違いはあっても参加者は対等です。専門家がいませんから、わからない事もあります。わからない事は、まずは自分たちで勉強しました。裁判所へ行ったときに嫌がられても教えてもらいます。第2の特徴は「お金」の解決だけを目指しているわけではないということです。解決の過程で、①自分を見つめなおし「自分らしさ」を見つけること、②高利被害者が社会の「仕組み」の中から大量に生み出されていることを学び高利社会をなくす運動に参加する、ことを目的としています。お金の問題を解決するテクニックを教わりたい方は「さざなみ」には合いません。相談に来て、方針が決まり、解決のスタートが定まるまで、だいだい半年くらいの期間がかかります。この期間、自分に謙虚に向かい合うことができるかどうかが試金石です。変なプライドが邪魔する人、ひたすら自分ばかりを責め続けている人、サラ金会社に感謝している人、サラ金会社や他人の所為にばかりしている人等、本当に様々です。それが半年の間に徐々に変化していきます。私たちの人生で、これほど「自分を見つめなおす」機会はそんなにないかもしれません。「さざなみ」の相談会はその機会を提供してきました。それを「チャンス」にできるか、今までの延長線上の対応にするかは相談にくる人の姿勢にかかっているわけです。
 自営業者にとって高利問題を解決しただけでは問題は解決しません。やっぱり、自分の商売を良くするために何が必要なのかを学ばなければなりません。「さざなみ」で帳面のつけ方を学び家計簿もつけていきます。そして、民商の経営交流会にも参加して商売も見つめなおしています。こうした地道な積み重ねが自らを再起させる力になっていきます。
 ギリギリまで我慢しないで回らなくなっている現実を認めることが相談のスタートです。ご自分のこと、知人のことでお悩みの方は気軽に「さざなみ」へご相談ください。
吹田民商「いんふぉめーしょん」No.786 10.111.22

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