中小業者と家族従業者の備き分「自家労賃」を経費として
認め、所得税法第56条の廃止を求める意見書 |
日本経済の中で大きな比重を占める中小企業の経営と仕事が安定し、発展することを通じて、地域経済の担い手として社会的、文化的にも大きな役割を果たす女性事業主や家族従業者がその能力を発揮し、地域の中で生き生きと働くことができる環境を整備することが必要である。
中小業者と共に働く家族従業者の労働に対しては、所得税法第56条において、配偶者とその家族が事業に従事したときの対価の支払は必要経費に算入しないとされており、どんなに働いてもその労働に見合った働き分が給料として正当に評価されない。所得税法第56条により事業主から控除できる額は配偶者の場合年間86万円、家族従業者の場合は年間50万円である。家族従業者は、この控除額が所得とみなされ、独立するための住宅ローンも組めず、社会的、経済的にも自立しにくい状況となっており、こうした現状は後継者不足不足にも影響している。
配偶者やその子供などが事業に従事した場合、事業主ご家族従業者の働き分を含めて申告するため、重税となっている。また、家族徒業者の働き分が必要経費として算入されないため下請け単価に反映されず、低単価、低工賃の一因ともなっている。税法上は青色申告にすれぼ、給料を経費にすることができるが、同じ労働に対して、青色、白色と差を付けること自体が基本的人権を侵害している。
このことは、憲法第13条の個人の尊重、第14条の法の下の平等、第24条の両性の平等、第25条の生存権、第29条の財産権などに反Lている。
既に、アメリカ、フランス、ドイツは、自家労賃を経費として認めている。憲法は、一人一人の人格、人権を保障しており、家族従業者の労働を個人の働き分として正当に評価すぺきである。
よって、本市議会は政府に対し、下記の事項を強く要望する。
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記 |
1 中小業者と家族従業者が安心して生活と営業ができるように、所梼税法第56条を廃止すること。 |
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 |
平成22年3月26日 |
吹田市議会 |