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身近な実践報告からネットワークづくりを考える
 8月19日に吹田市民会館で3回目になる「井内尚樹先生と学ぶネットワーク講座」を17名の参加で開催しました。今回から参加者が報告し、他の参加者から質疑応答と先生から助言・問題提起で討論する形式になりました。今回は中央支部の村上さんから繊維産業の縫製業でなぜ生き残れたかと、山田支部の後藤さんから周辺のお店とのネットワーク「チーム山田」について報告していただきました。

 1番目の報告者の村上さんからは開業した経緯からバブルの崩壊、現在に至るまでの報告と受注で心掛けていることについて報告していただきました。受注するときには必ず無理な納期や単価で引き受けないことで、一つ一つ丁寧に縫製し、手を抜かないように心掛けて信頼を得ていると報告されました。またバブル崩壊後には、廃業も迫られながらも、以前勤めていた会社で卸会社を経営している同僚と話し合い、仕事を受けるようになったことや、知人にも村上さんから取引先を紹介していることなど報告していただきました。先生からは村上さんのような繊維産業が生き残れる方策を交流会で考えてほしいと問題提起がありました。

 2番目の報告者の後藤さんは「チーム山田」を作った経緯を報告していただきました。宣伝強化のために近隣の店舗に広告を置いてもらう取り組みから始まった交流が、今では近くの飲食店で集まって交流会に発展したことを報告していただきました。交流会ではリーダーは作らずに交流会の参加者で順番に運営していること、地域に役立つ営業について話し合うことや、共同での広告作成ができるようになったことなど報告していただきました。後藤さんの報告には先生から、吹田のいろいろな地域でこのような活動ができないか、交流会で考えてほしいと問題提起されました。

 交流会では、ネットワークをつくるには賛同してもらえる理念がなければまとまらないことがよくわかったなどの感想が出されました。また、国内の製造業中小業者の生産者が生き残るには、その高い技術で作られる製品のよさをアピールして産業を守ることが大切だと伝える必要があるとの感想も出ました。
吹田民商「いんふぉめーしょん」No.822 11.8.29