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岩崎さん、お疲れ様でした。そして、有難う。お元気で。
 「国民健康保険の岩崎さん」。名前は知らなくても、顔を見れば「この人か」とすぐに分かる国保高齢者医療室の室長だった方です。減免や分納の相談会で「あの人に相談したい」と順番を待っていた会員さんも多数おられることと思います。その岩崎由和さんがこの3月31日で吹田市役所を定年退職されました。岩崎さんは「国民健康保険」の部署で30年間働き続けた方です。阪口市長は職員を頻繁に異動させることで有名ですが、岩崎さんは、その阪口市長でも異動させることができないほど、この職務に精通されていました。
 阪口市政になってからの12年間は、保険料の算定方法の変更や保険料の値上げ問題、滞納者に対する差押問題など、吹田市と住民団体は厳しく対立してきました。その背景には小泉構造改革以降の福祉切り捨て政策、それに追随する阪口市長の社会保障軽視の市政運営がありました。それでも、岩崎さんが弱者に寄せる思いは揺らいではいませんでした。本当に多くの皆さんを助けていただきました。感謝しながら亡くなった方もいるほどです。
 岩崎さんの素晴らしさの第1は、国保料が「高い」と認識されていたことです。私たちから指摘された際も、言い訳することなく正直に「高い」と表明されていました。だから、どうすれば弱者を救済することができるかも制度の趣旨に沿って対応してくれたのだと思います。子どもやお年寄りに資格証を発行しないという措置を全国に先駆けて決断されたのも岩崎さんでした。第2は、情報公開にも積極的であったことです。私たちが求めた資料は気負いなくすぐに揃えて手渡してくれました。制度を勉強したいと言うと、すぐに時間をとって分かりやすく教えてくれました。第3は、私たち住民団体を軽視したり敵視したりすることが全くなかったことです。地方自治は「民主主義の学校」と言われますが、私たちの厳しい意見も真摯に受け止めて改善の努力をされました。私たちは公開された情報で勉強し、どうすれば自分たちの要求が通るのかを勉強しました。私たちも鍛えられたし、職員の皆さんも鍛えられたのではないかと思います。職員を仲間として庇う姿勢も一貫していました。その上に、住民意見にも耳を傾ける岩崎さんのバランス感覚は抜群でした。岩崎さんは「天下り」先もなく、自分のようなものが嘱託で残ると他の職員がやりづらいだろうと全くの無職になるそうです。ゆっくり休養されて、新たな人生を送っていただきたいと心から願っています。本当に有難うございました。
吹田民商「いんふぉめーしょん」No.803 11.4.4

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