税金を滞納していても、人間の誇り失わず
(2008.2.22 吹田民商「いんふぉめーしょん」NO.652より)
「万が一不履行になるようであれば、無予告で差し押さえますのでご注意ください。」これは千里山支部の山田さん(仮名)が吹田税務署の徴収担当職員から受け取った文書です。読者の皆さんは、この文書を読んでどのような感想をもたれるでしょうか。
 山田さんは所得税の滞納をしていますが、毎月、税務署と約束した金額を誠実に納めてきました。ところが、税務署が山田さんに送付した納付書に誤りがあり、振込みをしているものの、その税金が別の部署に渡り入金が確認できなかった経過がありました。山田さんとのやり取りで、その誤りを発見し、新たな納付書を送付した際に、署員が発行した文書がこれです。用件を伝えた最後に記されていました。なんと事務的で強権的な臭いのする文書でしょうか。山田さんが憤りを感じるのは当然です。
 山田さんが民商に来られたのが午後5時を過ぎていたため、一緒に税務署に行くことができませんでした。そのため1月30日、事務局から担当署員に電話して抗議しました。署員はこのような文書を出すのは当たり前だと言い切っていましたが、このような抗議を受けたのは初めてであるため、今後文書の内容については検討すると約束しました。しかし本音は、「どうしてこのような抗議を受けるのかわからない」様子でした。署員に何故このような表現になるのかを尋ねると、「約束を守らないからだ」と。驚きました。山田さんは約束どおり毎月払っているのです。それを署員も認めています。それでも、「これから払わないかもしれないから」と言いはるのです。今、業者がどれほど厳しい営業状態なのか知っているのかと聞くと、「充分わかっている」とも言います。憲法の精神を話し、人権を尊重するべきだと求めると、「どうして人権の問題なのか」と反論もしてきました。国民を上から見下ろすことが習慣となっている税務署員に人権の問題を持ち出しても伝わりませんでした。それでも、「検討する」ところまでは追い込みました。また直接、山田さんへ電話して説明することも確認しました。山田さんは謝罪文を要求すると言っています。この署員が謝罪をするとは思えませんが、山田さんのように憤りをもつことこそ重要です。山田さんに人間としての誇りを感じます。
今、税務署は申告を単なる「手続き」としか考えていません。税額の吊り上げは申告時ではなく、税務調査で行おうとしています。消費税の調査件数が急増(前年より28・7%増)していることでもわかります。また滞納者に対する接触を強め、山田さんのような対応となっています。学習会や班会に参加して税務署の動きを把握した上で申告しましょう。

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