■「機構改革」に対する吹田民商の見解 |
吹田市当局は7月25日から始まる定例市議会に向け、「機構改革」に伴う条例の改正案を提出しました。
この改正案には、現行の産業労働室を「産業労働にぎわい部」に格上げし、その下に「まちにぎわい創造室」と「産業労働室」を配置することが含まれています。この内容に対し吹田民商としての考えを表明し吹田市当局の善処を求めます。(2007.9.25) |
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第一に、機構改革の目的、理念の問題です。
吹田市当局が労働組合に示した文書によると、産業労働室の改組理由については、市長選挙における阪口氏の公約である「重点プログラム46」および「まちづくり推進ポリシー136」の推進があげられています。「重点プログラム46」では観光センターの開設(平成21年度)、「まちづくり推進ポリシー136」では、「市内経済・産業の活性化と雇用の促進」として、「大阪国際空港の活性化」「地下鉄今里線の・・・・北伸構想の実現」など6点が公約されています。これを総合的に推進するために「部」への昇格が必要であるとされたようです。吹田民商は「部」への昇格については歓迎するものの「吹田市新商工振興ビジョン」、「吹田市第3次総合計画」との整合性はどのようになっているのか明らかにする必要があると考えています。なぜなら、この両者にもほとんど触れられることがなかった「市民観光」が新設される「部」の重要施策の柱になっているからです。また、地下鉄の北伸は選挙でも大きな争いになったものであり、実現するとしても数十年先の問題です。この間、私たちが「部」への昇格を求めてきたのは、商工施策の充実、地域経済振興施策を吹田市が行う施策全体の上位に位置づけて欲しかったからです。行政のプロである市長が、提案されるわけですから、その目的と理念を明確にしていただくとともに、①予算の大幅な増額、②上位施策に相応しい人員の増員、③頻繁な人事異動を廃した計画的な人材育成、④地域経済振興策の4点を、新設される「部」が実現されることを求めます。
第二は、名称の問題です。
「産業労働にぎわい部」、「まちにぎわい創造室」とは、長すぎるし、言いにくい名称です。なぜ「にぎわい」を名称に入れなければならないのでしょうか。公的な名称は、個人の思いが優先されてはなりません。市民の側からすると「何をしているところなのか」が把握でき、問い合わせする際にも言いやすいことが重要です。再検討を求めます。できれば「振興」の文字を入れていただくことを希望します。
第三は、職員数の問題です。
「吹田まつり」が「市民協働ふれあい室」から新設の「部」へ移管されることになっています。地域経済振興にプラスになる部分もあるのかもしれませんが、その理由が明確ではありません。そしてなによりも問題なのは、この部分を担ってきた職員が数人しか移籍しないことです。5月に産業フェア、7月に吹田まつりとなれば、新設される「部」は短期間に連続して2つの大イベントを開催することになります。そのことで、他の日常業務に支障が出ることは明らかです。にもかかわらず、現行21名体制が24名になるだけで、3名しか増員されません。「部」に昇格させるだけでも人員増が求められるはずです。その上に、「吹田まつり」が移管するわけですから、それに相応しい人員を大幅に増員して配置すべきです。それができないのであれば、「吹田まつり」の移管はやめるべきです。
第4は、地域経済振興策立案と推進の問題です。
私たちは、この間、公共事業の地元発注率を高めること、住宅リフォーム体制を創設することなどの地域経済振興策を提案してきました。しかし、「産業振興に関する事項」に責任をもつ産業労働室は、趣旨は賛同できても、他の部署の問題としか捉えることができず要望を伝える役割を担うだけでした。この部分が改善されてこそ「部」としての存在価値が光ることになります。予算の増額を含め、「格上げ」に相応しい対応になることを求めます。
第5は、費用と進め方の問題です。
この機構改革のみにかかる費用は電算プログラム変更だけで2200万円と聞いています。部屋の改造や名刺作等を含めると3000万円を超える負担になると思われます。役割は変わらないのに名称のみ変えるところもあるようです。税金の無駄遣いは厳に慎まなければなりません。また、実施の時期が11月12日であることも驚きます。これだけ大規模な機構改革を5月18日に発表して7月の議会に諮るなど、あまりにも急ぎすぎです。この2ケ月間だけでも数多くの修正点が出ており、今後問題化する点も数多く残っているようです。直接市民と接する仕事をするのは市長ではなく職員です。当局の考えを一方的に押し付けるのではなく、職員のみなさんの意見を真摯に聞いて実行に移すべきです。市役所の混乱の被害は私たち市民に直接降りかかってくることを肝に銘じて再検討されることを求めます。
以上をもって「機構改革」に対する吹田民商の見解とします。 |
「いんふぉめーしょん」NO.628 2007.7.30 |
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