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商売、人生、民商運動を考える(その2)
吹田民商「いんふぉめーしょん」No.752 10.3.8
現実を見つめ、考える時間を確保する
 2月は全支部の役員会で「商売、人生、民商運動」を話し合いました。「家族から商売をやめろと責められている。だけど、あと10年間は頑張りたい。」「夜中に仕事を終えて、その後、今までの自分を振り返った。立ち止まることがこんなに大事だとは思わなかった」「もっと多くの人とのつながりを創っていればよかった」「やっぱり、人と話すことが大切だ」など、多くの意見が出されました。経営コンサルタントの高木さんが提案されているように「1週間に15分、商売を考える時間をとる」ことが本当に大切ではないでしょうか。零細業者の多くは毎日の仕事をこなすことに必死で、また、現実を見つめることが怖くて考えない人など様々です。それでは進歩はありません。商売をよくしようとすれば、まず、自分の商売を見つめ、考える時間を徐々に増やしていくことが不可欠です。

「考えをまとめ、実践し、反省する」の繰り返し
 Dさんが熱心に仲間の意見に耳を傾けています。今までは「自分には無理だ」と聞くことや考えることを遮断していましたが、まずは、民商の役員用の名刺に屋号を入れ、岡田さんや岸田さんなど共に頑張っている仲間の意見も受け入れるようになりました。営業にまわる決意を固め、みんなが褒めてくれている自分の商品を押し出す宣伝チラシを作りました。また、500円、1000円、2000円の商品を作り、1ヶ月に2回個別配達することも決意しました。方法は走りながら考えたらいいとの助言を受け入れて、早速、予約を取り始めています。大きなお金をかけず、考えたことを気軽に実践し、その上で反省する。そして、また、実践する。その繰り返しをする中で、自らの方針が精選されていくはずです。

非価格競争を考える
 商品や工事代金を安くすれば人が寄ってくるわけではありません。大型店のような安売り競争ではなく非価格競争の視点が重要です。「なりわい経営」は経営者本人が最大の広告塔であり、「自分が何をしたいのか。」「自分はどんな人間なのか」をどのようにして相手に知らせるか工夫が必要です。その点で専門的な知識を持っている事は相手に信頼と安心感を与えます。後藤さんは畳の知識が豊富で、地域に根付きたい、役に立ちたいという姿勢を強力に押し出しています。その人柄がお客さんを呼び込んでいます。飲食店であれば清潔感が外せません。料飲関係やサービス関係の業種であれば、話術や憩い、心地よさが不可欠です。「自分の魅力は何か」を探し、自覚し、磨きをかけましょう。自分でわからない場合はお客さんに聞くのもいいでしょう。このテーマで考える際に重要なのが自立心です。自営だから当然と思わないで、自分が本当に自立した考えを持って行動しているか考えてみて欲しいと思います。民商の運動に参加する事は多くの中小業者を知り仲間として接することです。本当の自分を知る機会になっていることに気づいている方は少ないのではないでしょうか。

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