人間らしく生きたい!
これは誰もが持っている願いであり要求です。しかし、その当たり前のことを追いかけていて深い落とし穴にはまってしまうこともあります。
多重債務で苦しんでいる人はそんな人たちです。「こんなはずではなかった」と気づいても、その流れを止められずますます借金地獄に堕ちていき、自殺、夜逃げ、家族崩壊など「人間らしさ」と正反対の行動をとって「解決」を図っている人もいます。
こんな悲しいことはありません。
多重債務に陥った人は、お金の支払いでも悩み、返せない自分は人間的にだめな人間ではないかと責めて悩んでいます。
他方で「借りたものは自分の責任で返していきたい。人生を反省し、これからもがんばっていきたい」という人間らしい要求ももっています。
『さざなみ』は、そんな債務者の人間としての健全な思いを支援し、多重債務問題を世論の力で根絶することを目的として結成されました。
「さざなみ」結成10年目の定期総会が開催されました
「さざなみ」結成から10年目の定期総会が行われました。「さざなみ」会長の重さんからレポートをいただきました。

 2010年12月8日、吹田民商会館にてクレジット・サラ金・商工ローンの被害者をなくす吹田市民の会「さざなみ」の第11回定期総会が開催されました。さざなみ会員をはじめ、来賓に民商会長の山口正史さん、大阪府会議員の阿部誠行さん、民商の各支部の支部長さんにも参加していただきました。結成から10年と節目の年を迎えました。提案された総会方針案は、9月から週一回の準備会を行ない、役員会は議論を積み重ねてきました。会計報告、会計監査を終え、さざなみ会員の3名の方から意見発表も行ないました。「さざなみ」に来て仲間に励まされて闘えたことや、債務整理だけでは本当の問題解決にはならないと、民商の経営学習会に参加して、経営者としての学習をしていること、一番やりたかったことに集中できるようになったことなど、お話ししていただきました。多重債務で夢も希望も自信もなくしていた過去から、自分の問題を自分で解決し、今では夢も希望も持っている姿に感動しました。西尾さん講師の「さざなみ運動・10年の到達点と今後の課題」をテーマに講演していただきました。改めて10年を振り返りながら成果と問題点を確認・反省できました。

 高利撲滅までサラ金三悪を決して許さず、仲間とともに闘うのが「さざなみ」です。今後とも民商の皆さんのご理解ご支援よろしくお願いいたします。
吹田民商「いんふぉめーしょん」No.790より 10.12.20

多重債務者の苦難に寄り添い「さざなみ」10周年
高利被害者根絶の願い乗せて全国の運動に合流
 「さざなみ」(正式名称は、クレジット・サラ金・商工ローンの被害者をなくす吹田市民の会「さざな み」)は11月17日に創立10周年を迎えました。10年前のこの日は大変寒い日でしたが、被害者の方や結成に賛同する皆さんの参加で会場は満席になりました。外の寒さと結成総会に寄せる参加者の熱気で窓ガラスが曇ったほどです。「さざなみ」は、結成後すぐに全国クレ・サラ被害者協議会に加盟し、全国的な運動や学習会に合流しました。
 それから10年。毎週の相談会を実施するとともに、吹田市、吹田警察署、大阪府警、近畿財務局、大阪府商工労働部、保証協会、日本政策金融公庫、吹田・大阪・枚方の各簡易裁判所などに申し入れや懇談を行い多重債務者救済の支援をお願いしてきました。全国や西日本、近畿の学習交流会にも参加しました。今年6月18日には、改正資金業規正法が制定されましたが、全国のクレ・サラ運動30年にして画期的な法改正を実現することができたこと、その一翼に小さいながらも「さざなみ」が運動に参加できたことは大きな喜びです。
 「さざなみ」は正式結成前の2000年9月から独自の相談会を始めました。当時は金曜日でしたが、今は毎週水曜日の夜8時から開催しています。月1回役員会を開催し、5年ほど前からは毎月1回JR吹田駅や岸辺駅の駅頭で宣伝行動も続けてきました。結成当時から数年間は「取立て」も厳しく、その対策のために、被害者どうしが場所を変えて深夜まで励ましあうことも度々ありました。また、まとまった時間を確保して勉強したり相談にのったりするため日曜日にもよく集まっていました。

「さざなみ」相談会は生き方「見つめ直す」契機
自主計算、経営対策にも目を向けた運動に発展

 「さざなみ」の相談活動は、弁護士や司法書士などの専門家に頼る法律相談ではなく、多重債務を経験して苦しんでいた(いる)被害者が、同じように多重債務で苦しんでいる被害者の相談を受けるところに最大の特徴があります。だから、相談員と相談者の違いはあっても参加者は対等です。専門家がいませんから、わからない事もあります。わからない事は、まずは自分たちで勉強しました。裁判所へ行ったときに嫌がられても教えてもらいます。第2の特徴は「お金」の解決だけを目指しているわけではないということです。解決の過程で、①自分を見つめなおし「自分らしさ」を見つけること、②高利被害者が社会の「仕組み」の中から大量に生み出されていることを学び高利社会をなくす運動に参加する、ことを目的としています。お金の問題を解決するテクニックを教わりたい方は「さざなみ」には合いません。相談に来て、方針が決まり、解決のスタートが定まるまで、だいだい半年くらいの期間がかかります。この期間、自分に謙虚に向かい合うことができるかどうかが試金石です。変なプライドが邪魔する人、ひたすら自分ばかりを責め続けている人、サラ金会社に感謝している人、サラ金会社や他人の所為にばかりしている人等、本当に様々です。それが半年の間に徐々に変化していきます。私たちの人生で、これほど「自分を見つめなおす」機会はそんなにないかもしれません。「さざなみ」の相談会はその機会を提供してきました。それを「チャンス」にできるか、今までの延長線上の対応にするかは相談にくる人の姿勢にかかっているわけです。
 自営業者にとって高利問題を解決しただけでは問題は解決しません。やっぱり、自分の商売を良くするために何が必要なのかを学ばなければなりません。「さざなみ」で帳面のつけ方を学び家計簿もつけていきます。そして、民商の経営交流会にも参加して商売も見つめなおしています。こうした地道な積み重ねが自らを再起させる力になっていきます。
 ギリギリまで我慢しないで回らなくなっている現実を認めることが相談のスタートです。ご自分のこと、知人のことでお悩みの方は気軽に「さざなみ」へご相談ください。
吹田民商「いんふぉめーしょん」No.786より 10.11.22

サラ金のグレーゾーンが廃止 改正貸金業法完全実施実現
 政府は先ごろ改正貸金業法完全実施を閣議決定しました。その主な内容は ①出資法の上限金利(年29・2%)を利息制限法と同じ15~20%に引き下げてグレーゾーン金利を廃止する ②借入総額を年収の3分の1以下に制限する(個人事業主は対象外)の2点です。2点目の総量規制に該当する人は借り手の5割にも上るといわれています。これから借りたくても借りることができなくなりますから、この方々が相談先を探し始めるはずです。あなたの身近にそのような方がいたら、「さざなみ」を教えてあげてください。グレーゾーン金利はなくなったものの15~20%は高利です。個人事業主が総量規制の対象外になっていることも問題です。

高金利撲滅の大切な第一歩  「さざなみ」会長 重 加奈美
 改正貸金業法が6月18日に完全実施されることになりました。多くの方々の尊い命が奪われたことを思い起こしています。改めて怒りを感じます。長い間苦しめられ続けた被害者が立ち上がり、声を挙げた運動の成果です。昨年から今年にかけて貸金業者や献金をもらっている国会議員が「施行の延期」、「規制の緩和」、「特例金利」などを求めて猛烈に抵抗していました。その抵抗を撥ね退けての完全実施です。サラ金地獄に逆戻りさせてはいけないと全国で被害者が立ち上がりました。高金利を撲滅するため、私たちが安心して暮らせる社会にしていくため、これからも闘っていきたいと思います。協力いただいた皆さんに感謝します。ありがとうございました。

「さざなみ」が定例の駅頭宣伝
 毎月1回、JR吹田駅中央口で夜7時から40分間の宣伝行動を行っています。
4月は28日に実施しました。この日は重さんと谷川さん、事務局から1名が参加して相談会を案内するちらしを配りました。「サラ金の相談をしています」「多重債務で困っていませんか」「カードの相談をしています」と声をかけながら配っていると、声を聞いて手を伸ばしてくる人が沢山いて、40分間で用意した200枚余りのチラシがほぼなくなりました。その後、事務所で相談会。初めての相談者もあり、この日は久しぶりに多重債務の学習会を行いました。5月13日は過払い訴訟の全国一斉集団訴訟の日です。これに間に合わせようと準備している会員もいます。
北大阪総合法律事務所と懇談会を開催
 4月21日夜7時より、北大阪総合法律事務所からの要請を受けて懇談会が開催されました。法律事務所からは鎌田弁護士を始め7名の弁護士と3名の事務局員が参加され、吹田民商からは山口会長始め三役8名と「さざなみ」会長の重さんが参加しました。最初に、法律事務所から、相談件数の状況(鎌田弁護士報告)、多重債務問題の現状(名並弁護士報告)、年金担保貸付事業廃止についての意見書(中西弁護士報告)の報告がありました。民商からは西尾局長が実績パンフを使って民商の運動の内容を説明しました。法律事務所からは昨年豊中で開催した「連続講座」の内容が説明され、吹田でも開催できないかという申し入れがありました。それに対して、民商からは、なんでも相談会を役員中心でやっていることもあり、もし、吹田で開催するのであれば準備をして対応したいと応じました。時期や内容については後日協議することにしています。民商からは、民商が紹介する弁護士だから安心してお願いできるという会員さんが多くいることを自覚して、本人が納得いく解決になるように親切、丁寧に対応して欲しいと要望しました。懇談終了後、短時間ですが「さざなみ」の相談会を見学していただきました。
吹田民商「いんふぉめーしょん」No.760より 10.5.10

自分自身と正面から向き合い、怒りをもって高利貸し撲滅を!
 12月9日、吹田民商会館にてクレジット・サラ金・商工ローン被害をなくす吹田市民の会「ざざなみ」の第10回定期総会を開催しました。
 吹田民商の山口会長をはじめ5名の支部長さんと阿部府議会議員など31名が参加しました。
 今年の総会は、改正貸金業法の完全施行を前に、貸金業者や一部の国会議員が見直しを図ろうとしているのに対し「さざなみ」は怒りをもって立ち向かい完全施行を勝ち取るため全力がんばると決意しました。
8年間、会長を務めた竹田さんは「自宅に日掛け業者が押し掛けてきた時、まっ先に『さざなみ』の仲間が駆けつけ、家族を安心させてくれた」と振り返り、「自分のような人を出したくないという思いでこの8年間がんばってきた」と語りました。
 その竹田さんからバトンを受けた重会長は「10年前を藁をもすがる思いで民商に相談に行き、『さざなみ』結成から多くの人に支えられてきました。そんな『さざなみ』という大きな存在の会長を引き受けるに当たりプレッシャーで夜も眠れませんでしたが、新しい役員さんも入り、みんなでがんばっていきたいです。」と涙を浮かべて決意しました。
 その後の西尾事務局長の講演では、自分が「被害者」である事と「自分を見つめる」事のバランスをしっかり持つこと。そして、家計簿をしっかり集計し、自律して自立する大切さを強調しました。
 参加された方からは「『さざなみ』の9年間の歴史を聞き改めてすごいと思った」「相談に来た一人ひとりの顔が思い浮かんだ」「まさに命にかかわる問題で、政治を変えていこうと思った」と感想が寄せられました。
 「さざなみ」は語り励まし合いながら「自律と自立」をテーマに自分自身を見つめなおし、会員一同、力を合わせて高利貸し撲滅など、国民が安心して暮らせる社会になるよう積極的に活動していきます。

11月に特定調停が終わった会員さんの報告を紹介します。
「さざなみ」に入って変わった! 
 僕は民商の会員でした。はじめに、借金の相談もできると話を聞いたので、6月に相談にいきました。180万円の借金があり、おもにギャンブルなどにつぎ込み、妻にバレてしまい、どうするか二人で話し合った結果、民商に相談することに決めました。民商に行くと「さざなみ」があると紹介されました。
 11月28日に特定調停が終わって、約半年ぐらいかかりました。はじめの頃はまったくどうするかわからず、不安でしかたがありませんでしたが、さざなみに相談にきて、自分のお金に対するだらしなさや、何とかなるだろうという甘い考え方、嫌な事は後回しにする性格を見直すことをわからせてもらいました。
 「さざなみ」は借金・お金の問題だけじゃなく、もう一度自分を見つめ直す良いきっかけになり内面的にも変わってきたと思います。相談にきてから、家計簿や小遣い帳をつけていると、自分たちの家計の実態を知り、前のままだったら、もっと借金が増えていました。「さざなみ」のみなさんと励まし合い協力し合ってこの問題を解決できたと思います。
 今後は、僕が「さざなみ」の力になり相談にきた人の力になれるように頑張りたいとおもいます。  R・J
吹田民商「いんふぉめーしょん」No.743より 09.12.21
◆過去の記事◆
■「さざなみ」結成10年目の定期総会が開催されました(10.12.20)
■多重債務者の苦難に寄り添い「さざなみ」10周年(10.11.18)
■サラ金のグレーゾーンが廃止 改正貸金業法完全実施実現(10.5.10)
■北大阪総合法律事務所と懇談会を開催(10.5.10)
■自分自身と正面から向き合い、怒りをもって高利貸し撲滅を!(09.12.21)
■「さざなみ」はヤミ金業者を、絶対許さない!(09.11.9)
■毎月第三水曜日は「さざなみ」駅頭宣伝(09.11.2)
 ■改正資金業法の早期の完全実施を求めて近畿集会(09.07.29)
■市役所市民相談課と『多重債務問題』で懇談しました(09.06.01)
 ■さざなみ第9回定期総会を開催(08.12.31)
■多重債務問題で吹田市と初交渉(08.12.8)