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国民健康保険料の滞納者に軒並み財産調査強行
吹田民商「いんふぉめーしょん」No.766 10.6.21
吹田市は社会保障の理念を破壊するな
  吹田市が国保料滞納者に対して財産調査の上に差押をしていることが、6月9日、吹田社保協国保部会が行った要望書に対する回答でわかりました。
・平成19年度に財産調査027件、差押1件
・平成20年度に財産調査173件、差押2件
・平成21年度に財産調査966件、差押6件

  驚くべき事態です。国民健康保険制度は社会保障です。そのため、「強制力」を働かせるような対応はこの制度の趣旨に相応しくありません。そのため、私たちは、「安易に差押を行うべきではない」と何年も前から当局に迫っていました。それに対して、当局は「悪質な人に限る」と言い張っていました。しかし、それは単なる言い訳で、基準もなく誰に対しても財産調査・差押を行うものであることを証明したのが2月の事件でした。

当人に連絡もなく住民の財産調べる
  吹田市は本年2月、保険料を滞納している37世帯に対して「国民健康保険料財産調査・差押予告」を発送しました。このなかに4名の会員が含まれていたため、本部役員会は早い時期にこの事実をつかみ発送した2日後には緊急行動を起しました。その際、当局は、①このような文書を発送したのが初めてであることを明らかにするとともに ②37世帯全てを「撤回する」と約束しました。「それでも財産調査は行う」と言い張っていましたが、私たちは、それほどまで言い張るのなら ③「基準とシステム」を創るべきだと求め、当局も「そうする」ことを約束しました。この重要な話し合いを行っている時点で、吹田市は既に財産調査を強行していたわけです。なんと不誠実な態度でしょうか。文書発送は初めてだけど、今までは無予告で財産調査を行っていたことになります。許されないことです。それを言い繕う為、「財産調査は966件ですが、差し押さえたのは6件だけで、差押のために財産調査をしたのではない」と言っています。当人が知らない間に財産調査をしたことが問題なのに、この指摘が理解できないような「人権」感覚で良いのでしょうか。
  吹田社保協国保部会は、この問題について話し合いが必要だと判断して、再度話し合いの申し入れを行いました。財産調査をした住民の所得、滞納保険料額、業種、家族構成なども明らかにするように求めています。今、重要なのは、強権を発動することではなく滞納住民の実態調査を行うことです。

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